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学校長ブログ

式 辞
厳しかった冬の寒さもようやく和らぎ、春の訪れを間近に感じる季節となりました。本日ここに、常翔学園中学校2025年度卒業式を、卒業生、ご来賓、そして保護者の皆様とともに迎えられましたことは、この上ない喜びでございます。保護者の皆様には、本日のお子様の姿をご覧になり、幼い頃からのさまざまな出来事、中学受験の日のこと、入学後の歩みなどが思い起こされ、感慨もひとしおのことと存じます。お子様が本日、晴れて卒業の日を迎えられましたことを、心よりお祝い申し上げます。また、この三年間、本校の教育活動に深いご理解と温かいご支援を賜りましたことに、改めて厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
ただいま卒業証書を授与いたしました十三期生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。期待と不安を胸に入学してから、あっという間に三年が過ぎました。皆さんにとって、この常翔学園での三年間はどのような時間だったでしょうか。楽しかったこともあれば、つらかったこともあったはずです。友人関係で悩んだ人もいるでしょう。勉強に苦労した人もいるでしょう。体調がすぐれず登校が大変だった人もいたかもしれません。家族とぶつかったこともあったでしょう。
もしかすると、こんな言葉を口にしたことはありませんか。「クラスの雰囲気が悪いから、やる気が出ない」「先生が厳しいから、自信が持てない」「親が勉強しろと言いすぎるから、やる気がなくなる」しかし、ある日ふと気づくのです。「自分の気持ちまで、周りのせいにしていたのではないか」と。
そこから、自分で小さな挑戦を決める。自分で自分の機嫌を取る。自分で目標を定める。そのように歩み始めたとき、人は大きく成長します。成績以上に変わるものがあります。それは「姿勢」です。物事に向き合う姿勢こそが、その人の未来をつくります。
本日は皆さんへのはなむけとして、詩人の 茨木のり子 さんの詩「自分の感受性くらい」を紹介します。
自分の感受性くらい
ぱさぱさに乾いてゆく心を ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを 友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを 近親のせいにするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを 暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を 時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ
この詩は、厳しい言葉で私たちを叱っています。しかしそれは、突き放すためではありません。「あなたの人生を、あなた自身が引き受けなさい」という、深い愛情のこもったメッセージです。
これからの社会は大きく変化します。AIの進展などにより、社会の姿も、働き方も、想像以上の速さで変わっています。大人になっても、思い通りにいかないことは数多くあります。社会が悪い、時代が悪い、他人が悪いと嘆くのは簡単です。しかし、最後まで守らなければならないものは、自分の感じる力、自分の志です。
不条理に出会ったとき、思い通りにいかないとき、問われるのはただ一つです。「それでも、自分はどう生きるのか。」地団駄を踏みたくなるようなときこそ、その人の真価が試されます。そんなとき、自分を客観的に見つめ、未来のために成長できる人であってください。自分の感受性くらい、自分で守れる人になってください。
さて、皆さんは、この三年間で確実に成長しました。今日の卒業は、その努力の証です。心から祝福するとともに、皆さんの歩みに敬意を表します。本当によく頑張りました。そして、今日まで支えてくださった保護者の皆様、家族の方々、先生方への感謝の気持ちを、ぜひ自分の言葉で伝えてください。
最後に、入学式で皆さんに伝えた、校長室の私のデスクの後ろにかけてあるThis is Your Life.のポスターの中でも特に私が好きな言葉を引用します。
Life is about the people you meet, and the things you create with them. Life is Short. Live Your Dream and Share Your Passion.
人生とはあなたが出会う人々のことであり、彼らと共に創り出すもののこと。人生は短い。夢を生き、情熱を分かち合おう。
がんばれ、常翔生。
皆さんの今後のさらなる活躍を祈念し、式辞といたします。
卒業、おめでとう!
2026年3月7日
常翔学園中学校
校長 田代 浩和