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特色ある教育
実施日:2025年6月2日(月) 講師:矢萩 邦彦先生今回の授業は、「正解のない教室」シリーズの第5回目でした。テーマは、「ぼくらの知覚は本物か? 〜認知バイアスを認知する〜」 です。
■ 前回の振り返りと「問い」の大切さ
授業の冒頭では、前回の内容を振り返りました。
その中で、「正解のないことを考える」ためには、**「出題」と「質問」**の違いを理解することが大切であるという話がありました。
◎出題:答えに優劣がつきやすく、議論が深まらない。
◎質問:正解が決まっていないため、対等な立場で自由に対話できる。
この違いを意識することで、相手の意見に耳を傾け、自分の考えを深めていく力が育まれます。
■ ユニークな問いの例:「あなたで四人目です。」
矢萩先生が紹介してくれた問いの一つに、「傘に貼るシールに何と書くか?」というものがありました。
先生の答えは、「あなたで四人目です。」というものでした。
この一言にどんな意味があるのか、どんな印象を受けるのか——生徒たちは想像力を働かせながら考えました。
■ メディアリテラシーを考える
授業の後半では、1994年にピュリツァー賞を受賞した圧縮効果を使った1枚の報道写真をもとに、メディアの伝え方や印象操作について考察しました。
生徒たちは、その写真から読み取れる情報や背景について、自分の考えをシートにまとめました。
さらに、「なぜフェイクニュースは流されるのか?」という問いにも挑戦しました。フェイクニュースにはさまざまな意図や目的が隠されており、それを見抜くためには、ただ情報を受け取るだけでなく、疑問を持つ力が必要です。今回の授業を通じて、情報の裏側にある「意図」を読み解く目を養うことの大切さを学びました。