夏は涼しい山で繁殖し、寒くなると暖かい沖縄、南西諸島、台湾などの南の島へ移動することで有名なアサギマダラという蝶ですが、秋になるとメディアでもよく取り上げられています。10月中旬、いつも畑仕事に行く兵庫県の山里にも、春にそのために移植したフジバカマに飛来しているのを観察してきました。最近は採った場所と日などを羽にマークして放ち、再び捕獲された個体から移動距離を調査するというマーキングが流行っていますが、観察した個体はいずれもマーキングはされていませんでした。この蝶がフジバカマやヒヨドリバナなどの花に求蜜に来るのは、花に含まれるピロリジジンアルカロイドという毒性成分を摂取して、身を守るためやメスを誘引する化学物質（性フェロモン）を生成するためといわれています。先週には木枯らしが吹いているので、すでに南の方へ飛んで行っていると思われます。