プロフィール 北尾元一

2017年6月 9日

ニュートンのリンゴ

 東京大学より譲り受け、新校舎竣工記念に植えたニュートンのリンゴの木が、昨年カミキリムシの食害で枯れてしまったのですが、安全のため摂南大学で育ててもらっていた別の木を昨年移植し、春には無事花が咲きました。現在は少ないながら小さな実が付いています。授粉木にも実が付いていますが、はたして落果せずに大きくなるか心配です。この木は、今より340年前、ニュートンがイギリスの生家でリンゴが落ちるのをヒントに「万有引力の法則」を発見したという逸話のもととなったリンゴの木の子孫です。ニュートンの生家の接木苗が、1964年イギリス物理学研究所から日本に送られ、ウイルス病の防疫のため東大植物園で隔離栽培された後、1981年に園内に無毒化された株が植栽され、現在では日本の各地の植物園や博物館・学校などに分譲されています。東大植物園からは、1.子供達に夢を与え、科学する心を育てる公共施設であること。 2.頒布を目的としないこと。 3.東大植物園に報告のない再分譲を行わないこと。を条件として2009年6月に譲り受けてきたものです。知的好奇心を喚起させ、子供達に夢を与えるためにも今度こそ枯らさずに育ってもらいたいと願っています。いずれにしましても、動植物を育てるのは難しく、奥が深いと感じています。

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