プロフィール 北尾元一

2013年6月16日

ナツツバキ

 平家物語は「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす」の一節で始まりますが、そのなかにある沙羅双樹の花は、日本ではツバキ科のナツツバキがそれにあたりますが、マンションの植込みに咲いていたので写真を撮ってきました。朝咲いた花が夕方にはポトリと花ごとが落ちてしまうことから、世の無常さを象徴する花として登場しているようです。元来の沙羅双樹は、お釈迦様が亡くなられたときにそばにあった木として、インドでは菩提樹とならび聖木とされおり、ナツツバキとは別の木を指すのですが、日本では育たないため似たものを沙羅双樹にしたとされています。東南アジアではまた別の沙羅の木もあるそうです。

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