プロフィール 北尾元一

2012年11月24日

紅(黄)葉

 現在大阪近郊では紅葉の見頃を迎え、行楽地は多くの人で賑っています。あすの日曜日は紅葉狩りに行かれる方も多いのではないでしょうか。今年の紅葉は、10月になり朝夕の気温が一気に下がり、昼夜の温度差が大きくなったことで、近年には見られない美しさだと言われています。葉が黄色に変化する仕組みは、葉には緑の色素のクロロフィル(葉緑素)と黄色の色素のカロチノイドが含まれていますが、圧倒的にクロロフィルが多いので緑に見えていたのが、秋になり気温が低くなると葉の働きが弱くなり、クロロフィルの方が分解されてしまい、カロチノイドの黄色が目立つためです。また、葉が赤く変化するのは、冬に葉を落とす準備として、葉の付け根に離層という組織が作られ、葉で作られた栄養分(糖など)が行き来できなくなり、葉に留まります。紅葉する葉では、光と温度条件が揃うとこの糖から赤い色素のアントシアニンが合成されます。鮮やかに紅葉するためには、日中の気温は20~25℃、夜間は5~10℃、昼夜の気温差が大きいこと、葉に充分日光が当たること、適度な湿度があって葉が乾燥しないことなどが必要だそうです。写真は、いつも行く兵庫の里山と通勤の行き帰りで撮ったものです。日本の四季のすばらしさを感じます。